見代ひろこの版画の世界

季節の版画 『糸杉のある教会』

 バレンシアの街では街路樹がオレンジで橙色の実が鈴なりだ。 酸っぱい種類だから誰も採らない。 テラスで注文したら大ぶりのグラスに5個程絞ってくれて300円、氷で増量してない。 甘くて新鮮だ。 街を探索して見つけた古い教会がひっそりと夕陽に映えて美しい。 ミハスに、世界一小さいといわれる四角い闘牛場があった。(スペイン全土では大小400以上あるそうだ)

  狭いし観客席も少ないから目前での闘牛は迫力満点だと思う。 切符の値段の決め方が面白い。 夏の開催が多いので、日陰の席は高くひなたは安いとのこと。 小さな売店に古びた豪華な闘牛士の衣装が飾ってある。 動物愛護団体が残酷だと騒いでいるようだが、誇り高き勇者が大好きな国だから伝統は継がれてゆくだろう。     見代ひろこ 

                  見代ひろこ“版画で描く光の12か月”より